しものせき水族館「海響館」オープンラボ

April 2001

「海に浮かぶミニ風船 ヤコウチュウ」

水産大学校 生物生産学科

教授 上野俊士郎

 

 みなさんは「夜光虫」をご存知ですか? 夜の海の発光生物としてウミホタルとともにその名前をご存知の方も多いでしょう。実際に夜の海で光っているのを,夜釣りや夜の渚で体験された方もおられるでしょう。しかし,その姿を顕微鏡でじっくりと観察した方は少ないのでは? きょうは,みなさんにこのヤコウチュウを顕微鏡で観察していただきます。また,できれば発光の様子も観察したいですね。

 現在,下関付近の海にはヤコウチュウがたくさんいます。ところによっては,赤潮を形成しています。このヤコウチュウの赤潮で魚たちが死ぬことがあります。ヤコウチュウは,その風船のような大きな(といっても1mm前後)細胞の中にアンモニアをたくさん溜めて,比重を小さくして海水に浮いているのです。そのアンモニアが細胞の外に出て,魚たちを中毒させるのです。

 また,ヤコウチョウは単細胞ですが,動物なので有機固形物を食作用により細胞に取り込みます。すけすけの体中に食べた珪藻プランクトンなどの固形物を観ることができます。

 

 

 

 

渦鞭毛植物門 Dinophyta  山路勇著「日本海洋プランクトン図鑑」(保育社)より

渦鞭毛藻綱 Dinophyceae      

ヤコウチュウ目 Noctilucales

ヤコウチュウ Noctiluca scintillans (Ehrenberg) Macartney