項目東日本沿岸でフグの大規模な交雑現象が発見されました!
   
 当機構の水産大学校において実施している、IT技術を利用したフグの雑種を見分ける技術を開発するプロジェクト研究の一環として、フグ交雑種のデータベース構築のためのDNA資料採取を行っていた生物生産学科の高橋洋准教授が、茨城県、福島県、および岩手県沖において、2012年から2014年にかけ、ショウサイフグとゴマフグの種間雑種がこれまでに無い規模で発生していた事を明らかにしました。 
  
 2012年以降、各県沖で大量に漁獲されるようになった種類不明フグのDNAを調べたところ、その大半(149個体)がショウサイフグとゴマフグの間の雑種第一世代(F1)であり、さらに雑種が純粋なショウサイフグやゴマフグに戻し交雑した個体も含まれていることが分かりました。   
             
 このような大規模な交雑現象は、これまで他の海水魚では観察された例が無く、今後は地球温暖化などによる海洋環境の変化とも関連づけて本現象を注視していく必要があると考えられます。   
             
 本研究成果は,2017年4月5日に海洋生物学分野の有力ジャーナルであるMarine Biology誌に掲載されています。
 
論文へのリンク:
http://link.springer.com/article/10.1007/s00227-017-3120-2
DOI: 10.1007/s00227-017-3120-2
     
※本成果は、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構生物系特定産業技術研究支援センターより受託している「革新的技術開発・緊急展開事業(うち地域戦略プロジェクト)」の中で得られたものです。 
2017/05/24 登録

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