項目生きたユリヤガイ、山口県萩市見島で約30年ぶりに再発見!
 
 当機構の水産大学校生物生産学科の村瀬昇教授は、本年7月25日に萩博物館の堀成夫総括研究員に協力し、萩市見島においてユリヤガイが現在も生息していることを約30年ぶりに確認しました。
ユリヤガイは大きさ5mmほどの緑色の小さな貝で「二枚の殻をもつ不思議な巻貝」として知られています。1962年に日本で初めて見島の砂見田ヶ浜(さみだがはま)から生貝(生きている状態の貝)が発見されました。以来、見島は「日本初の生きたユリヤガイ発見地」として有名になり、貝類学者でもあった昭和天皇をはじめ多くの研究者や自然愛好家に注目されました。その後1980年代頃まで生貝が確認されていたようですが、それ以降はユリヤガイが健全に生息しているか分からない状態が約30年も続いていました。それでも2002年完成の島唯一のダムが「見島ゆりや湖」、今春(2019年)就航の萩-見島間の高速連絡船が「ゆりや」と命名されるなど、見島にとってユリヤガイは島のアイデンティティをなす要素の一つであり、内外からユリヤガイ再発見への期待が寄せられていました。
海藻植生調査のため来島していた村瀬教授は、砂見田ヶ浜付近を潜水調査中の堀総括研究員にユリヤガイの餌や生息場となる海藻(アミモヨウやヒメイワズタなどの緑藻類)を教示しました。その一帯の海藻類や底質を堀総括研究員が採取したところ、サンプルの一部からユリヤガイの生貝2個体が見つかりました。


 ユリヤガイの生貝を萩博物館で特別展示する予定です。詳細は萩博物館(TEL 0838-25-6447,URL http://www.city.hagi.lg.jp/hagihaku/)にお問い合わせ下さい。なお、ユリヤガイが衰弱・不調となった場合は、公開を短縮または中止する場合があります。
2019/07/29 登録

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