項目魚肉の「あぶら」の簡単測定法
 水産物に含まれる脂質(脂肪)の量は、「脂がのった魚はおいしい」と言われているように、消費者ならびに生産者は常に関心を持っています。しかし、客観的に脂質の量を量るとなると、水産物から脂質のみを抽出し、特殊な機器や装置そして引火性の高い試薬を使用するため、実験室などの限られた場所でしか分析することができません。
 こうした状況を受け、今回本校では、すりつぶした魚肉に試薬を混ぜ、10-15分間加熱するだけで簡単に脂質含量が測定できる方法を開発し、講演会などで発表したところ、多くの関係者から反響をいただきました。(特許公開2008-203002)
写真でお分かりのように、脂質含量が多いほど反応液が赤色になるので、目で見て脂質の量を判断することができます。場所を選ばす、かつ、一つの試料を分析する費用も安価であることから幅広く使用される可能性があります。この測定方法は、消費者への正確な品質情報の提供はもちろんのこと、水産物のブランド化、養殖水産物の品質管理等、水産業の発展に貢献できるものと考えております。
 このため、この測定法の更なる普及を図るため、現在、分析キット化を目指して研究を行っています。
2009/12/15 登録

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