水産流通経営学科
水産流通経営学科とは
私たちの食卓に上る水産物は、生産者である漁業者から卸売市場や水産加工場、流通業者を経由し、最終的に外食産業や小売業を通じて消費者に渡っています。このように消費者に水産物を届ける役割を担う水産業で活躍するためには、国内外の水産物の生産、加工・流通のシステムを理解し、消費を含めたその現状を把握すること、そしてそれに関わる情報を統合・分析し柔軟に対応していく力が必要です。
生産 漁業地区の係船風景
水産流通経営学科では、水産業(漁業、流通業・水産加工業など水産関連業)の経営分野と水産物流通分野について、現場に根ざした実践的な教育と研究を行っています。この学科の学びのベースになっている水産経済学は、水産物の生産・流通・消費の過程とその背景となっている経済的・社会的な状況を把握し、水産物の安定供給のための方策を研究する分野です。日本だけでなく世界全体を視野に入れ、水産政策や地域の振興についても考えていきます。併せて水産をめぐる文化や社会、歴史に関する教育と研究も進めています。
流通 水産物卸売市場で魚を見定める流通業者
水産流通経営学科では、水産業の全体を見渡しマネジメントし諸問題の解決を図れるような水産行政(公務員)、水産団体、漁業及び水産加工流通会社、水産関連企業などでリーダーとなる人材の育成を目指しています。
消費 スーパーの寿司コーナー
学習・進路の流れ
1年 | 2年 | 3年 | 4年 | 進路 | |
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自然科学、人文社会科学、語学などの基礎から始まり、水産経済に関する専門科目、水産のキャリア教育まで豊富なカリキュラムに沿って学習 | 卒業論文 | 就職:公務員、海外協力、商社、市場、小売業、外食業、漁業団体など多彩な進路が学科の特徴 | |||
進学:本学研究科 | 他大学博士課程 | ||||
進学:他大学修士課程 |
特色ある授業科目
「水産経済学」「水産経営学」の専門の土台を形成する科目があり、1年生の「水産物フードシステム実習」では専門へのモティベーションを高め、2年生の「水産海洋実習」(乗船実習)、「流通情報システム設計実習」、3年の「水産経済・流通調査」までの実習とフィールドワークを駆使する多彩な専門科目群が水産経済の学理の学習を支えます。
業界研究を行う「水産人材育成論」のように、就職活動および就職後の役に立つ授業が目白押しです。
専門教育科目・実習
水産経済学 | 食料経済論 | 水産食品流通経済論 |
水産流通加工ビジネス論 | 水産物消費マーケッティング論 | 水産物貿易論 |
水産物ロジスティック・システム論 | 水産物市場構造論 | 水産フィールドワーク論 |
漁業協同組合論 | 水産国際開発論 | 水産人材育成論 |
水産流通経営セミナー | 情報処理 | 水産統計データ解析 |
確率統計学 | コンピュータ基礎 | 解析学 |
線形代数 | 情報科学 | 水産経営学 |
水産政策論 | 水産特論 | 水産資源経営管理論 |
水産法律学 | 水産地域振興論 | 水産企業会計学 |
海面利用論 | 水産企業論 | 水産経営管理システム論 |
水産経営分析論 | 養殖経済論 | 水産史 |
漁村漁港環境アメニティ論 | 水産物フードシステム実習 | 海洋水産実習 |
流通情報システム設計実習 | コンピュータ経営管理演習 | 水産経済・流通調査 |
インターンシップ | セミナー | 卒業論文 |
実習の紹介
本学科(および本校)が力を入れている実習では、水産業の実態を把握し現場での問題解決能力を養うことができます。
水産物フードシステム実習(1年生)
基本的な水産物調理の技術を身につけ水産物のおいしさを知るとともに、漁業者・漁業協同組合・水産加工業者・仲卸業者・小売業者等の見学・講義を通して水産物の生産から消費までの流れを理解します。

[できあがった料理]
海洋水産実習(2年生)
本校の練習船、耕洋丸あるいは天鷹丸に乗って1週間の航海をし、漁業操業・海洋観測などをします。本学科の学生にとっては一生に一度の貴重な体験になることはまちがいありません。

[天鷹丸による実習(出港風景)]
流通情報システム設計実習(2年生)
生産から消費までの水産業に関する情報データを収集し分析する技術を身につけ、また水産企業での情報システム構築に資するための基礎を学びます。

[朝獲れ水産物予約システムの構築]
漁業地区の漁業生産と水産物流通の現場を見学し、その実態と課題、行政機関や漁業協同組合、関連する研究機関などの役割とそれらとの連携など実際の水産業のあり方を理解するとともに、卒業後の水産業界における進路をイメージします。

[下関の唐戸市場で水産物販売を行う女性から話を伺う様子]