流通経営講座
流通経営講座の概要
流通経営講座では、環境に配慮した水産業の健全な発展と消費者への安定的な水産物の供給が図れるよう、漁業・養殖業経営、生産システム、資源管理、水産物流通・消費とマーケティング、水産政策、地域振興、水産人材の育成、水産に係る国際法や国際関係等に関する教育と研究を行っています。
フードシステムの構造変化とその対応に関する研究
現在、国内生産の減少(海洋環境変化、担い手減少)、流通業者の競争激化と再編、国際流通の展開のなかで、水産物の生産・流通構造が様々変化しています。そこでその実態把握と課題、関係者の対応について研究を進めています。主な研究項目としては、漁業管理、六次産業化 注)、地産地消、水産物卸売市場の再編成、水産物貿易とグローバル市場化、水産小売業の変化、水産物消費などがあります。
注)六次産業化:第1次産業である漁業が、関連する第2次・第3次産業(加工・流通販売)にも展開し新たな経営形態を作り出すこと。

量販店の魚売り場での実態把握
水産業の持続性確保及び活性化のための人材育成・経営戦略に関する研究
この研究課題は、水産業の持続的成長に必要なことを明らかにすることを目的として行っています。この目的を達成するためには、水産業を取り巻く社会経済環境も海洋環境も複雑に変化していることから、多面的な視点から課題や対応策を検討する必要があります。そこで、各教員がそれぞれの問題意識にもとづいて研究を推進しています。具体的には、水産政策や制度、水産関係者の経営戦略、水産資源の有効管理、漁業協同組合の機能、人材の確保育成などについてです。そして、これらについてグローバルな視点から小さな漁村単位まで広い視野で捉えています。これらの研究成果は、水産業に貢献するために活用するとともに、本学科の学生の授業や実習、卒業論文の指導において教授することで将来の水産業を担う人材育成に役立てています。

実態把握と養殖業者へのキャリア・ステップ
活力ある社会を構築するための地域経済の基盤強化並びに地域振興に関する研究
水産業は水産物を国内の都市や世界に送り届けていますが、その起点となる生産の場は漁村という地域であり、ここの活力が低下することによって水産業のあり方が大きく変化する恐れがあります。人口が減少しつつある現在の日本においては地域産業の核として水産業が存在している地区が少なくありません。水産資源・歴史的資源・人材等を含めた地域資源を活かした水産業の発展と地域振興のあり方について研究しています。そのなかで都市との交流・連携・協働のあり方についても取り組み、特に「域学連携(学生・教員と地域の連携)」地域づくり活動の可能性と意義についても実践的に研究しています。

彦島地区での祭りの助っ人